変化に対応して進化を続ける
建物・人材総合サービスのリーディングカンパニー

九綜グループは1973（昭和48）年8月、総合ビルメンテナンス事業の九州綜合サービス㈱として産声を上げ、昨年創業50周年を迎えた。設立以来、「自立」「共生」「競争力強化」をモットーに熊本消毒サービス㈱、尾池管財㈱、天神ハイムビルからなる複合企業として、常に時代の変化に対応しながら安定経営を続けている。「人は財（たから）」との考え方の下、社員一人ひとりの研鑽に努めてきた同社は次の100周年に向けてさらなる成長を期し、一丸となって挑戦を続けている。

ダイバーシティを推進

九州綜合サービス㈱は「顧客（相手）満足度」「企業と地域の共生」「社会貢献」を常に心がけ、玉名、宇土、八代、上天草、人吉の5つの支店で地元雇用を行う地域密着企業だ。4月には20人が入社し、約1000人の社員がそれぞれの分野で競争力強化に尽力している。また、数年前から外国人材を受け入れており、直近ではインドネシアから技能実習生16人と特定技能2人を新たに受け入れている。今年度からは「ダイバーシティの推進」を経営目標に加えるなど、来るべき人材の国際化にもいち早く対応している。　同社は「ビル（建物）はお客さまの財産」との考えの下、ビルがより高い価値を維持できるよう、建物の総合管理を提案・提供している。また、コロナ禍を経て感染予防における消毒清掃の重要性が高まったことから「感染予防特殊チーム」を発足し、消毒に特化した清掃のスペシャリストである感染制御衛生管理士（ＩＣＣＣ）を九州に先駆けて複数配置するなど、医療機関等の衛生環境維持を支えている。

複数施設で3期以上の再選定非常時の対応光る

また、建物・人材サービスのリーディングカンパニーとして公的施設の指定管理者・PFI事業者として「熊本城桜の馬場城彩苑」や「くまもと森都心プラザ」など多くの公的施設を管理運営している。今年度は「くまもと県民交流館パレア」「益城町文化会館」「熊本市立城南図書館・城南児童館」で指定管理者として再選定を受けている。特筆すべきは、これらの公的施設を含む多くの施設で複数回の再選定となっていることで、この間に発生した熊本地震とコロナ禍という有事を乗り越えた同社の管理運営能力が高く評価されていることを示している。

月１回「こども食堂」実施

コントラクトフードサービス（ＣＦＳ）事業部では、本社１階の九綜フードサービスセンターや県運転免許センターレストラン「パークサイド」などの運営、学校・福祉施設等の給食、病院への配食サービスなどを行っている。本社常駐の栄養管理士が各施設を巡回して衛生管理を徹底するなど、常に食の安心・安全、質の向上を図っている。熊本市を含む県内外の多くの施設で給食業務を担っており、県内の複数施設で再受託している。ＳＤＧｓ活動の一環として、同社が管理運営する熊本市中央公民館で毎月「こども食堂」を実施しており、「火の君マルシェ」出荷者や九綜共栄会から食材等の提供、同社学校給食調理スタッフの調理協力の下、継続的な活動として定着している。

100周年に向けて「組織開発」で総合力向上図る

一昨年50周年を迎えた同社は創業以来、時代の変化や社会のニーズに迅速に対応するため、事業や組織体制を常に変革し続けて柔軟に姿を変えてきた。尾池千佳子社長の就任以降、「人は財（たから）」との認識の下、人財育成を経営の最重要課題に掲げて取り組みを続けてきた結果、女性や30歳代の役員・管理職の誕生など、着実に実りの時期を迎えている。現在、「よかボス企業」「ヘルスター健康宣言」「熊本県ＳＤＧｓ登録企業」に名を連ね、育児休暇制度の整備をはじめとしたワークライフバランスの取れた働きやすい職場づくりを進めている。さらに、今年度からは３年以上におよんだコロナ禍で疎遠化した人との関連性に焦点を当て、「組織開発」に取り組んでいる。厳しい外部環境に負けず、次の100周年に向けて成長軌道に乗っていくために、①「問題の見える化」、②「対話」、③「未来作り」の３ステップを着実に改善・定着させ、会社としての総合力の最大化を図る。尾池社長は「組織開発は特に対話が重要。課題を改善して社内外の一体感を生み、さらに前進していけるよう挑戦していきたい」と未来へ目を向ける。